【僕が家庭の平和を壊した日から43年】
 ことばを探す旅

当時の私は、ことばを失っていた

父親への説明は、全てが「くちごたえ」と捉えられた

ことばを発する毎に、強く叱責された

それから、私は口を固く閉じ、ことばを発しないことに決めたのだ

私は、いまでも、怒鳴る人が苦手だ

人が口から発することばを、乱暴に扱う人にしか思えない

私自身にも喜怒哀楽の感情はあるが、「怒」に対しては特に慎重になる

起こられる人の気持ちが痛いほどわかるからだ

だから私は、人のことを怒らないと決めている

あのときに、

あの時代に、

発するべきことばを

当時の私は、発することができなかった

あのときの、心の声を胸に秘めて、これまでを生きてきた

今回、私はひとり旅をした

ことばを探す旅として

当時、心に秘めたことばを思い出すためだ

この地には、静寂という、ことばとは真逆の

世界が無数に存在していた

しかし、

ことばに対して真逆のものは、ことばをより強く引き寄せる

ことばをより強く求めるのだ

私がこの地を選んだのは、そういった理由からだ

私の想像以上に、その引き寄せは直ぐ様起こり、

私は静寂の世界にあり、当時の失ったことばに発することが出来なかったことばを、次々と発した

それは、正に、静寂の力だった

私は、発することばを感情的になりながら、認識し、噛み締めながら、記録していった

この地で、ことばを探す旅の目的を果たした

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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