〖短編小説〗幸せの泉【小児がんサバイバーの私が描く物語】21話
霧がだんだんと薄くなってきた
そして
僕の前に現れたものは
池
さっきまでは、なかったはずの池が
そこにはあった
池の湖面は穏やかで、
辺りの空気は、はりつめていた
僕は、その池に引き寄せられるように向かった
「これが天国なのか」
ふと、そんなことを思った瞬間
空から光が差して池とその周辺を明るく照らした
僕は、その眩しさに、思わず目を閉じた
次の瞬間、身体がフワッと浮いたような感覚がして
暗い空間に、
そう、まるで、宇宙空間のような場所で、遠くには、カラフルで、キラキラしたものが、たくさん浮いていた
次回に続く
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
短編小説執筆に至った背景
私は10歳の夏、小児がんを発症しました。今から40年も前のことでした。当時はまだ症例が少なく、100万人に1人の発症確率だとも言われていた希少癌で、骨肉腫という病名です。
発症した場合の生存確率も極めて低かったのです。
当時の私は、なす術のない状況に、
空想することが心地よく、唯一の希望の光になっていました。
この世の中には、
「どんな難病も一瞬で治す魔法がないかな」
「癌を治すぬり薬はないかな」
「お薬だけで骨肉腫は治せないかな」
「一口飲むだけですべての難病を治す湧き水の泉はどこにあるかな」
「あればいいな」
「突然、届くといいな」
そんな空想に、自分の心を慰めていたものです。
「自分が癌になったなんて、嘘であって欲しい!」
「診断ミスであって欲しい!」
しかし、現実は厳しく、
確実に自分に向かってくるのです。
私が思うに、
がんが治るというイメージを持つこと
がんを治したいという希望を持ち続けること
などは、実際のがん治療に心理的な面で、良い効果を生み出すような感覚があります。
少なくとも、前向きな空想に入ることで、過度のストレスを緩和する働きを私は、幼少期に小児がんと闘っている時に、実体験した経験からお伝えしたい。
その効果を試すためにも、この短編小説の執筆を始めました。
この短編小説は、定期連載しますが、皆様からの感想を募集いたします。
毎回の投稿ページのお問い合わせフォームからご感想をお願いいたします。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡