別れの約束

別れの辛さは、誰よりもわかっているつもりだった

あの別れを、わずか10歳で経験をしたからだ

小学3年生の夏休みに発症したガン細胞は、

僕に「辛くて、せつない恋」を教えてくれた

僕は「さよなら」を言えないまま、恋する人と別れた

そして、大切な仲間とも、

一言も「お別れ」を言えないまま、お別れをした

院内では、末期ガンの僕には、面会謝絶のタグを付けられた

後で母親に教えて貰ったが、

僕にお見舞いをしたいと、

来院されたお友だちが病院に断られ、帰ったということがあったそうだ

とても申し訳なく思い

そして、

僕は身も心も孤独になった

僕は、自分の人生を、これほどまでに切なく感じたことは、以降、40年が経っても経験していない

誰とも会えない日が続いた

その間には僕にとって、とても大きな試練があった

しかし

その試練を孤独と向き合いながら、乗り越えなくてはいけなかった

孤独と向き合いながら、大きな手術を受けること

そして、

仲間とのお別れを言えないまま入院してしまったことに辛さを感じた

入院して、ずいぶん月日が過ぎた、とうとう年を越えてしまった

小学校の仲間も年を越えて、3年生から4年生へ

僕はもう、当時の3年生には戻れない

あの時のまま

僕の記憶は、小学3年生の夏休みから途絶えたままとなっていた

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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