僕が家庭の平和を壊した日から43年目の夏
【今からでも思出す】

私には素直に喜べない過去があります。

 

それは夏休みなのです

それは、

夏休みに入るとともに、入院生活が始まり、

病院で夏休みを過ごした経験からでした。

毎年、夏になると不安が蘇るのです。

「なんで、なんで、」

「自分だけ、夏休みがないの?」

「川で釣りしたり、クワガタ採集したり」

「予定がいっぱいあったんだ」

しかし、

無情にも僕の身体に広がったガン細胞が、それらを拒んだ

僕の身体は、ガン細胞に支配されようとしていた

しかも、その切除は容易ではないという

僕は入院しても、すぐに退院できると思っていた

それがとんでもなく大きな勘違いだと知るまでは、

本気で思っていた

そもそも、僕はガンという病のことを詳しくは知らなかったからだ

母親から、ガン治療の流れを説明して貰った

入院、検査、手術、入院と、ざっくりとした内容だったが

僕は愕然とした、

入院、検査、手術、入院のそれぞれを約1週間と見積もっても、1ヶ月間を要する

僕は改めて、今年の夏休みがなくなったことに、大きなショックを受けた

川で釣りしたり、クワガタ採集なんかも、もう出来ない

来年なら出来るという発想はなかった

夏休みを失ったことのショックが大きすぎて、

完全に、ポジティブな面を見失った

僅か10歳の僕には、

病のことよりも、夏休みがなくなったことの方が、ショックだった

しかし、それは最初の内だけのことだった

僕はこの時すでに、ガン告知や、手術が出来なかった場合の余命宣告を受けていたが、

とんでもなく大きな病になったことに対して、実感が徐々に薄れていた

おそらく、それは当時の僕が夏休みに対して抱いた期待があまりにも大きかったからではないかと思う

大人になった今、当時を振り返ってみると

僕は夏休みには、無我夢中になり遊んでいた

いろんな遊びに対して必死になった

そして、それが生きがいであり、この世に生きていることの実感が味わえる唯一のことだった

夏休みは、僕にとっての生きがいだったのだ

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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