僕が家庭の平和を壊した日から、43年目の夏を迎えた
強引に決められた運命に逆らうも、結局は従う道しかなかった
僅か10歳の僕には、
半ば強制的に思えたのです。
「とんでもない病になったんだ!」
「大きい病院に行って精密検査を!」
僕の夏休みは、1日1日と、無くなっていった。
夏休みがなくなっていくことに、危機感をいだいた
実は、
僕は、毎週土曜日の午前中に、画家の先生から絵を習っていた。
先生は、中田先生と言って、広島にアトリエを構え画家活動をされている油絵画家だった。
夏休みの間は、習い事はお休みだったが、僕は勝手に、中田先生のところに行っては、
僕の作品を観て貰っていた。
「絵の具は塗ったらだめだ、色を置くんだよ」
先生はいつも、優しく教えてくれた。
僕の絵を見た中田先生は絵に色を足して、お手本を示してくれた
決まって、黒、紺色、緑、朱色などを混ぜた色を、次々と、数ヵ所に置いていった。
その置かれた色は、僕の描いた絵を引き締めてくれた。
「先生、凄い!」
「全然、すごくなった!」
だけどね、先生、この絵は、先生が筆を加えたから、学校には提出できないや
そんなことを僕は、心で思ったが、内心はとっても嬉しかった。
しかし、今年の夏は、こんなことも無理なんだ
僕は夏休みだけにはとどまらず、自分の意志や行動までも奪われた
そして、手術前になってようやく、
精神的に追い詰められてきていることを感じた
その、たったひとつの病は、
失った夏休みの思い出と引き換えに、
僕の記憶に強く刻まれた
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