【僕が家庭の平和を壊した日から43年】
 月明かりの思い出

樹海並木の一本道は太陽に明るく照らされ

木々の葉っぱが音を立てて目覚めていく

その枝にしっかりと結び付いた無数の葉っぱは

時おり吹き抜ける風に揺れながらも、決して離れようとしない

そんな強さを感じた

私は覚悟をしてこの地に来た

その覚悟とは、「知る」ということだ

世の中には、知らなくてはいけないことがあり、

そして、

知らなくてもよいこと、

知らない方がよいこともある

「知らない方がよいかもしれない」

そこに踏み入れる覚悟をし、この地に来た

樹海の並木には、所々に木々が密集し、

そこには深い影があった

私はこの影の傍らに立ちすくみ、深呼吸をした

「よし!」と、自らが選んだ覚悟を再度、確かめるように、

勢いをつけて、先の樹海へと再び歩きだした。

この地に到着した時間帯は、まだ明るく、木漏れ日が心地よく感じた

怖さは感じないが、

夕方以降になると

完全に辺りは真っ暗となり

一本道が見えないどころか、その暗闇に怖さを極度に感じてしまうかもしれない

暗闇の道を手探りで歩くことは、

私がガンを患い、心の拠り所を見失いかけていた状態に似ているかもしれない

私は、月明かりを頼りに歩いた

私は、「知る」ために歩いた

時間を過去に戻すように、

長く薄暗い樹海の一本道を奥に進んだ

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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