【僕が家庭の平和を壊した日から43年】
月明かりの思い出
樹海並木の一本道は太陽に明るく照らされ
木々の葉っぱが音を立てて目覚めていく
その枝にしっかりと結び付いた無数の葉っぱは
時おり吹き抜ける風に揺れながらも、決して離れようとしない
そんな強さを感じた
私は覚悟をしてこの地に来た
その覚悟とは、「知る」ということだ
世の中には、知らなくてはいけないことがあり、
そして、
知らなくてもよいこと、
知らない方がよいこともある
「知らない方がよいかもしれない」
そこに踏み入れる覚悟をし、この地に来た
樹海の並木には、所々に木々が密集し、
そこには深い影があった
私はこの影の傍らに立ちすくみ、深呼吸をした
「よし!」と、自らが選んだ覚悟を再度、確かめるように、
勢いをつけて、先の樹海へと再び歩きだした。
この地に到着した時間帯は、まだ明るく、木漏れ日が心地よく感じた
怖さは感じないが、
夕方以降になると
完全に辺りは真っ暗となり
一本道が見えないどころか、その暗闇に怖さを極度に感じてしまうかもしれない
暗闇の道を手探りで歩くことは、
私がガンを患い、心の拠り所を見失いかけていた状態に似ているかもしれない
私は、月明かりを頼りに歩いた
私は、「知る」ために歩いた
時間を過去に戻すように、
長く薄暗い樹海の一本道を奥に進んだ
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