【末期小児ガンからの生還】天国のおばあちゃんと会話した日~未完成のポートレート~

【未完成のポートレート】

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【末期小児ガンからの生還】
神様、なぜ僕の命を助けたのですか
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◼️オススメ
小児ガン患者さん、ご両親にもオススメの内容です

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◼️自己紹介


骨肉腫サバイバー
(筆者 ほっし校長)

私は小児ガン(骨肉腫)サバイバーです。
わずか10歳で、末期ガンの告知を受け、手術、闘病を経て、今までの人生を生きてきました。
自らの経験を生かして、小児ガン患者の子供たちの心の支えとなれるよう活動を続けています。

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僕の家には、母方のおばあちゃんが一緒に住んでいた。

おばあちゃんは、胃ガンの手術を受けた後、
僕の家で療養していた。

僕の家は、病院に近いので、
おばあちゃんもそれを望んでいた。

僕たち家族もおばあちゃんの体のことが
心配だったので、一緒に生活できると安心だった。

しかし、

僕たち家族は、おばあちゃんには、
胃潰瘍だと嘘をついて説明していた。

おばあちゃんは、とっても心配性だったため、
胃ガンのことを告知しないことにしていたのだ。

おばあちゃんの胃ガンは、
すでに末期で完治することは難しい状態だった。

余命宣告に耐えることができないと判断し
内緒にしていた。

今思えば、おそらくおばあちゃんは、

気付いていたのかもしれない。

最初は、自身の病名を何度も確認していた。

僕はその度に、心が傷んだ。

おばあちゃんの顔を見ると、
とても胸が苦しくなった。

その優しく、つぶらな瞳

「ありがとう、説明してくれてありがとう」
という言葉

おばあちゃんに嘘をついてまで、
隠し徹したことに、どんな意味があったのか

あれからもう、何十年も経つが、
いまだに答えが見つからない

それから数年後、おばあちゃんは天国へ旅立った

僕のおじから、
おばあちゃんのポートレートの制作を頼まれた

「一生の宝物にするから」と、おじは言っていた

僕は小さい頃から、
絵を描くことが好きだったことを、
おじは、知っていたようだ

大きなキャンバスに、
下書き無しで、直接に油絵の具をのせていった

僕が絵を描いている間は、
食事をすることも後回しにして、
夢中になってしまう

そこに、おばあちゃんがいるかのような
気持ちを維持し続け、

時折、

「おばあちゃん!ココ、こんな感じだっけ?いい?」

と、天国のおばあちゃんに
話しかけながら絵の具をのせた

天国のおばあちゃんが、
僕に語りかけることはないが、

なんとなく、

「うん、その色いいよ」

と言ってくれているように感じた

途中、
何んだかわからなくなって、
全く手を加えない期間もあった

その、もやもやしたなにかは、

自然に消えてしまい、
また、再開し描きはじめた

描きはじめて、
数ヵ月が経過した

なんとなく、出来たのかな

と、思えるような状態になった。

ここにくるまでの間に、
何度も母親に、

「できたみたいね」

と、言われたが

完成はしていなかった。

絵を描いている僕は、
まだ納得していなかったのだ

しかし、

おじとの、約束の時期になったので、
少しモヤモヤしながら、絵を渡した

それから何十年か経ち、

そのおじが亡くなった

僕は、その絵のことをすっかり忘れていたが、
亡くなったおじのもとから、

その絵が再び、
僕のところへ戻ってきた

僕はその絵を眺め、

絵を描いていた当時、
色の一つ一つをのせながら、
天国のおばあちゃんと会話していたことを、
思い巡らしていた

この絵は、まだ完成していない!

そう、感じたのだ

長い時を経て、再び、

僕の元へ戻ってきた、おばあちゃんのポートレート

だけど、

この先、僕はもう

この絵には、
新たな絵の具をのせることはないだろう

なぜなら、
おばあちゃんは、そこにはいないからだ

僕の心のなかの、
おばあちゃんを絵の具で描くことはできない

完成しないことが正解なのだと、
僕のなかで納得した。

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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