あの時、

私は自らの運命を悟った

テレビでよく見ていた、悲撃のヒロイン

不幸を絵に描いたようなセリフ

創られたような情景

そのようなドラマのシーンに似た光景がふと、頭に浮かんだ

しかし、ドラマのシーンと明らかに違う点があった

それは、事実であること

最後にハッピーエンドが約束されてはいないことだった

人が自らの運命を悟るということ

それはきっと、

人は自らの人生を終えるときに

「悟る」作業を終えるのだと思う

この世に存在するすべての人には寿命があり

長寿の方

短命の方

の方々がいるが

しかし、

私は、そのどちらでもなかった

私はわずか10年間のこれまでの人生を

そして、最後に自分の運命を悟ったが

それは、あっけない程すぐに終わる作業だった

「こういうことなのか」

私の運命はとても短く、

数分間の無呼吸状態で産まれ、

3歳で気管支炎喘息を発症

10年後に末期の小児がんを発症

そして、あの世の世界に向かう(帰る)

と、文章でまとめるとシンプルなことだった

短すぎて、記述することがあまりなかった

だから、

「こういうことなのか」

と、言う運命だった

ずっと、そう思っていた

しかし、人生や、運命はそんなあっさりと悟れるほど

簡単なものではないことに気がついた

あれから43年の月日と共に、やっと、そう思えるようになった

当時の私はとても未熟だったのだと、

自分の運命を、人生を悟るには、とても未熟だった

運命はそんな単純なものではない

この先、そしてさらに未来へと続く世界の中で、繋がっていく人と人、人と出来事、それらの全てが運命で繋がっている

そして、私も過去の時代から、何らかの繋がりによって生きている

それが運命なのだとわかった

今、自分が考えていること、そして行動したこと、それらの全てが、自分と繋がっていく人や事象と繋がっていくのだと、理解した

私の人生は、長寿でも短命でもなかった

それは

私は10歳で1回目の人生を終えて、

そして、

今は2回目の人生を生きているからだ

2回目の人生は、まだ全うしていない

今、正に生きている

1回目の人生を終えて、姿もそのままで、考え方も記憶も残ったままの状態で、2回目の人生を歩んでいる

こんな人生は普通ではない

そんな特殊な人生を私は楽しんでいた

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡


ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

おすすめ記事

1件のコメント

コメントを残す