【ほっし校長オリジナル絵本】燕とおっちゃんの旅 第一章

【ほっし校長オリジナル絵本】
燕とおっちゃんの旅 第一章

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富士山を望む海岸線に、

その、

おっちゃんは、いた

海岸の土砂を運び

シーサイドのタワマンを建設する現場

おっちゃんは、

そんな近代的な開発の現場にいた

黒いトラック

天空に登った太陽が

おっちゃんとおっちゃんのトラックを照らした

「この海も無くなるのか」

そう、呟いた

この海は、

おっちゃんの故郷

おっちゃんの想いでの場所だった

「切ないな」

「俺がこの場所を壊す仕事に就くなんて」

「あーあー」

しばらく、

深いため息をついた後

「よーし、行くか」

おっちゃんは、

何かを振りきるかのように

仕事に戻った

黒いトラックを富士山に向かい走らせた

曲がりくねった海岸線の

細い道

時折、

眩しい太陽の光が

サイドミラー越しに

おっちゃんの顔を照らした

「眩しいな」

「あーっ」

「ドンッ!」

何かがフロントガラスにぶつかった

黒いトラックの

フロントガラスの下に

それは転がっていた

無情な姿でそれは、

一羽の燕だった

おっちゃんは、

その燕をすくいあげ

「フー」

と息を吹き掛けた

すると

その縮こまった体の羽が

ピクッと動いた

おっちゃんは、

もう一度

息を吹き掛けた

燕はその横たわった体を起こし、

羽の毛繕いをはじめた

「あー、もう大丈夫だ!」

「ほれっ!」

おっちゃんはその燕を

空に向かって放った

おっちゃんは次の現場に向かい、

再び車を走らせた

実は、

おっちゃんのトラックの上を

先ほどの燕が

ついて行ってることに

おっちゃんは気づいていなかった

さて、

燕は何のために

おっちゃんについて行っているのでしょう

この話は続きます

次回をお楽しみにね

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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