幸せの泉 第三話

僕は空をとんでることに、すこししたら気づいた。

ほんとうに飛んでたんだ。

髪の毛をふわふわさせる風がきもちよくて、ちょっぴり霧がかった空気がすーっと呼吸できるの。

服のそでが風でふわふわするのを見て、

「うん、とんでる!」ってわかったんだよ。

雲の上を、ひとりでね。

ぼくが手術を受けているときと、

手術が終わってちょっと目が覚めたとき、

それはっきりおぼえてるよ。

ぼくはひとりぽっち。

だれもいないし、鳥や虫もいないんだ。

でもね、

ずっと飛んでいると、

遠いところにちっちゃな光が見えてきたんだ。

その光に向かって、僕は飛んでいくみたい。

光が当たると、ほっぺがぽかぽかしてきた。

見たことあるようなきれいな場所だったけど、

下を見ると、おきな自然がひろがってて、

ヨーロッパのお山みたいだった。

ふと、昔のことを思い出したよ。

たのしいことじゃなかったけど、

とっても大事なこと。

お病気で天使になっちゃった

イトコのお兄ちゃんのことだよ。

お兄ちゃんとの思い出。

ぼくは「お兄ちゃん!」って呼んだよ。

「そばにいる?」って聞いてみた。

ちょっとだけ、

お兄ちゃんがいるような気がしたんだ。

お兄ちゃんは、

ぼくが小学校1年生のときにはもう

高校生だったんだよ。

お兄ちゃんはとってもつらい病気になって、

お病院のへやで星になったの。

ぼくはお別れできなくて、

なんでお星さまになっちゃったのかも

わからないまま。

それから、

お兄ちゃんは空の上へとんでいったんだ。

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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