〖短編小説〗幸せの泉【小児がんサバイバーの私が描く物語】3話
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人々は、険しい山岳に住まうことを好まず
人々は、荒波の海岸沿いに住まうことを避ける
人々は、安定をこのみ、変化することを敬遠する
長年の経験から刻まれた遺伝子の記憶がそうさせる
しかし、人々の避けたがるところに、一番欲しいものがあり、
人々が最も求めるもののそばには、大いに嫌うものがある
強く明るい光の直近にこそ、深く暗い影が潜み、
深く濃い闇のところに差す光ほど眩しいものはない
人々が病を嫌い、治療しょうとすること、
しかし、
そのためには、大きな試練、大きな代償が不可欠となることは、人々の遺伝子にも刻まれているはずだ
強い効果の抗がん剤には、副作用があり、
その副作用が人々を苦しめる
この世は、自然の摂理に沿って生きている
私は、長らく麻酔から覚めなかった。
私の様態を見守る身内たちは、私が横たわる病室のベッドの周りに立ちすくむ
このまま、目が覚めないのだろうか
そんな事ってあるのか
そんな心配を他所に私の意識は、見守る皆が想像すらしない場所に飛んでいた
次回に続く
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🔷短編小説執筆に至った背景
私は10歳の夏、小児がんを発症しました。今から40年も前のことでした。当時はまだ症例が少なく、100万人に1人の発症確率だとも言われていた希少癌で、骨肉腫という病名です。
発症した場合の生存確率も極めて低かったのです。
当時の私は、なす術のない状況に、
空想することが心地よく、唯一の希望の光になっていました。
🔷この世の中には、
「どんな難病も一瞬で治す魔法がないかな」
「癌を治すぬり薬はないかな」
「お薬だけで骨肉腫は治せないかな」
「一口飲むだけですべての難病を治す湧き水の泉はどこにあるかな」
「あればいいな」
「突然、届くといいな」
そんな空想に、自分の心を慰めていたものです。
「自分が癌になったなんて、嘘であって欲しい!」
「診断ミスであって欲しい!」
しかし、現実は厳しく、
確実に自分に向かってくるのです。
私が思うに、
🔷がんが治るというイメージを持つこと
🔷がんを治したいという希望を持ち続けること
などは、実際のがん治療に心理的な面で、良い効果を生み出すような感覚があります。
少なくとも、前向きな空想に入ることで、過度のストレスを緩和する働きを私は、幼少期に小児がんと闘っている時に、実体験した経験からお伝えしたい。
その効果を試すためにも、この短編小説の執筆を始めました。
🔷この短編小説は、定期連載しますが、皆様からの感想を募集いたします。
🔷毎回の投稿ページのお問い合わせフォームからご感想をお願いいたします。
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