【僕が家庭の平和を壊した日から43年】
 自然の精霊とともに

まっすぐに延びる樹海並木道を

ただひたすら、まっすぐに進む

単純だからこそ、無になれた

無心で歩いた

風の音  

水の音

鳥のさえずり

しばらくすると、雲場池に辿り着いた

軽井沢の観光名所でもあるが、

早朝の散歩をしている人がちらほらと

その人たちを遠くから見ていると

ふと、当時の記憶がよみがえった

当時の孤独な私

しかし、常に人の気配は感じていた

あの頃の私は、とても孤独だったが、

もしかすると、

むしろ、孤独を心地よく感じていたのかも知れない

私は喘息を3歳から患い、

ちょうど、骨肉腫を発症した10歳ころが特に

喘息の症状が酷かった

日中、私は小学校には登校できず、自宅で喘息の療養を続けていた

両親は仕事勤めに出ていた

私はひとりぼっちだった

朝8時くらいから、夕方6時頃まで、

ずっとひとりぼっちだった

しかし、寂しさはなく、虚しさもなかった

むしろ

私は時折、空想の世界に入っていた

私は孤独だったが、いつしか孤独を楽しみに変える方法を得た

何か、他の人には聞こえない声であったり姿だったりを
見ていた

それが夢の中なのか、現実なのかさえ分からないが

その心地よさに引き込まれて、毎日お昼過ぎくらいの時間帯と、皆が寝静まった深夜に、その体験を繰り返していた

この地には、人以外の何らかが存在する感覚を、感じる

それは、軽井沢の森の精霊なのか、何なのかは分からないが、

確かにこの感覚は、自宅療養中の、あの空想のような体験に近い気がした。

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ほっし校長

10歳の時、100万人に1人の確率で発症の希少ガン(骨肉腫)を発症。
主治医からの、ガン告知と右足の切断と余命の宣告。自らの経験から、ガン患者さん、特に小児ガンの子供たちの心を世界中に伝えたい。

At the age of 10, one in one million people develops a rare cancer (osteosarcoma).
Cancer notification, amputation of right leg and life expectancy from the attending physician. From my own experience, I would like to convey the hearts of cancer patients, especially children with childhood cancer, to the world.

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